秋夜苦吟【2020.10】
秋夜苦吟
抛筆拄頤頻酌醪
終宵覓句不辭勞
寫來腹稿検平仄
一字認訛頭獨搔
2020年10月
押韻
下平声四豪韻:醪・勞・搔
訓読
秋夜苦吟
筆を抛ち 頤を拄へ 頻りに醪を酌む
終宵 句を覓めて 労を辞せず
腹稿を写し来たって平仄を検むれば
一字 訛を認めて 頭 独り掻く
注
拄頤:あごをささえる。頬杖をつく。
腹稿:心の中であらかじめ詩文を組み立てること。また、その草稿。
訛:あやまち。まちがい。
頭獨搔:ひとり頭をかきむしる 太刀掛呂山《獨搔》「鼓瑟使誰聽 逡巡頭獨搔」
訳
筆を投げ捨て、頬杖をつき、何度も濁り酒を口に運ぶ
一晩中、よい句を探し求めて苦労を惜しまない
頭の中でできあがった詩稿を紙に書き写してみて平仄をチェックしてみると
一文字間違っているのを見つけて、独り頭を掻きむしる
補足
作詩の苦労を、これまた苦労して詩にするという、意味不明の行為です。
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