探春絶句【2020.04】
探春絶句
冠疫妖氛蓋世來
東風雖到戸難開
不如高臥貪鼾睡
夢裏悠悠尋玉梅
2020年4月
押韻
上平声十灰韻:來・開・梅
訓読
探春絶句
冠疫の妖氛 世を蓋ひ来たり
東風 到ると雖も 戸 開き難し
如かず 高臥して鼾睡を貪り
夢裏 悠悠として玉梅を尋ぬるに
注
探春:春の景色をたずね歩くこと
冠疫:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。「冠」狀病毒(コロナウイルス)による「疫」病。
妖氛:あやしい気配、雰囲気。転じて、災い。
不如:~するのに及ばない。「A不如B」で「AはBに及ばない、AよりBのほうがよい」の意味。Aがなく「不如B」であれば「Bにこしたことはない」の意味になる。
高臥:安らかな気持ちでのんびり横になる。 《晉書·隱逸傳·陶潛》「嘗言夏月虛閑、高臥北窗之下、清風颯至、自謂羲皇上人。」
鼾睡:鼾をかいて眠ること
玉梅:白梅の美称
訳
春景色を訪ね歩く詩
新型コロナの災いの空気が世の中を覆ってしまい
春風が吹くようになったのに戸を開けて外へ出ていきにくい
今は家の中でのんびり昼寝して高いびきを決め込み
夢のなかでゆっくりと美しい梅をたずねるのが一番だ
補足
春風吟社4月の題詠です。新型コロナを詠み込んでみたのですが、詩題から少し焦点がずれてしまった感があります。
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