春夕獨酌【2020.04】
春夕獨酌
比來疫禍毎傷神
天地已春心未春
獨醉獨醒殘照盡
靖氛方策問誰人
2020年4月
押韻
上平声十一真韻:神・春・人
訓読
春夕獨酌
比来の疫禍 毎に神を傷ましめ
天地 已に春なるも 心 未だ春ならず
独り酔ひ独り醒むれば 残照 尽き
靖氛の方策 誰人にか問はん
注
比來:このごろ
疫禍:疫病によるわざわい。コロナ禍。
殘照:夕日の光。入り日の余光。
靖氛:わざわいの空気をしずめる
訳
春の夕べに独り酒を酌む
ここ最近の疫病がもたらしたわざわいに常に心を痛めているため
天地が春になっても心はまだ春にならない
独りで酒に酔い、独りで酒から醒めるうち、夕日の光も消えてしまった
わざわいの空気をしずめて世の中をやすらかにする方策をいったい誰に問えばいいのだろうか
補足
春風吟社5月の題詠です。詩題とずれることなくコロナ禍への恨みを詠み込むことができたと思います。
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