歳晩書懐 其一【2019.12】(歳晩 懐を書す 其の一)

2020年1月11日土曜日

七言絶句 春風吟社 題詠 年末



歳晩書懷

五彩霓燈競侈華
九街到處起高歌
深宵歡樂極來後
偏覺今年看又過

2019年12月

押韻

華・歌・過:下平声五歌韻(華は麻韻から借韻)

訓読

歳晩 懐を書す

五彩の霓燈 侈華を競ひ
九街 到る処 高歌起こる
深宵 歓楽 極り来たる後
偏へに覚ゆ 今年 看す又た過ぐるを

霓燈:霓虹燈。ネオンサイン。 
侈華:奢侈で豪華なこと。
九街:都会の大通り。 
歡樂極:漢武帝《秋風辭》「歡樂極兮哀情多」
:みるまに。みすみす。杜甫《絶句》「今春看又過」

年の暮れに思いをのべる

色とりどりのネオンサインが派手さを競うように輝き
街のあちこちから高らかな歌声がわきおこる
深夜になって宴会の楽しさも極まった後で
ことさらに感じるのは今年も見るまに過ぎ去ってしまったなあということだ

補足

春風吟社の12月提出の題詠です。漢の武帝の「歡樂極兮哀情多」を持ち出すまでもなく、楽しさが頂点に達した後には、むなしさと寂しさが待っていることは誰もが経験することだと思いますが、一年を怠惰に過ごしてしまった果ての忘年会の場合は後悔の念も入り混じって、ことさらにむなしさを感じるものです。そのような、ある意味ベタな感情を詩にまとめてみました。