月下納涼

晩來涼味逐更加
浴後歩庭風韻嘉
漏樹月光微照處
牽牛蓓蕾碧於花

2019年7月

押韻

下平声麻韻:加・嘉・花

訓読

月下納涼

晩来 涼味 更を逐ひて加はり
浴後 庭を歩めば 風韻 嘉し
樹を漏るる月光 微かに照らす処
牽牛の蓓蕾 花より碧し

逐更:夜が更けていくにつれて。「更」は一夜を5つに分けた時間の単位。
風韻:風の音
牽牛花:朝顔
蓓蕾:つぼみ

月下納涼

日が暮れてから夜が更けていくにつれ涼しさが増してきて
入浴後に庭を歩くと風の音が気持ちよく聞こえる
木の葉を漏れくる月光がかすかに照らすところを見ると
朝顔のつぼみの青さが花よりも濃く見えた

補足

春風吟社7月提出の題詠です。