謝人贈新茶

三竿剝啄破閑眠
遽得新茶懷舊緣
一啜卽能醒宿醉
不疑氣味勝常年

2018年4月

押韻

下平声一先韻:眠・緣・年

訓読

人の新茶を贈らるるを謝す

三竿の剝啄 閑眠を破り
遽かに新茶を得て旧縁を懐ふ
一啜 即ち能く宿酔を醒ます
疑はず 気味 常年に勝るを

三竿:日が高く上ったさま。竿3本分の高さの意。
剝啄:訪問者が戸をたたく音。ノック。
宿醉:二日酔い
氣味:香りと味
常年:いつもの年。例年。

人が新茶を贈ってくれたことに感謝する

日も高くなったころに家のドアをノックする音で目を覚まされ
急に新茶が手に入って古くからの縁のありがたさを感じる
早速、一口すすってみると、すぐに二日酔いを醒ますことができた
今年の茶は香りも味も例年以上であることは疑いない

補足

春風吟社5月提出の題詠です。シチュエーションが限定されているので自由度が少ない中で、贈られたお茶の旨さをどう表現するかに詩の出来がかかってきます。